Realforce R3 HD11 の環境構築メモとレビューを書いていく。
どうして Realforce R3 ?
自分がキーボードに求めることは以下の通り。
- US 配列
- テンキーレス
- 複数デバイスにペアリングできる
- なるべく東プレの静電容量無接点スイッチ
- メカニカルならホットスワップ対応
勘案しつつ、これまでは Keychron K2 を使っていたが、 Realforce R3 はさらに自分の希望に近かった。
そういうわけで即購入した。
キーマップを変更する
自分の環境
種類 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
マシン | Windows | |
マシン | Mac | |
マシン | Linux | GNOME |
マウス | Logicool MX Anywhere 3 |
3 種類の OS を同時に運用しているので、 Mac だけ Alt と Super の位置が逆だったり、 Mac だけ Super を多用したり、 Linux だけ WM 用のキーバインドでたまに Super を使ったりする。
これらを同時に無理なく使っていくためのキーマップにしていく。
無理のないキーマップ
最も問題になるのは、LCtrl / LAlt / LSuper のキー配置だ。 Mac では Super を使う操作で、 Win/Linux では Ctrl を使うといったようなちぐはぐさがあり、そのままでは誤爆が激しい。 コピペしようとしたら Cortana が起動したり、ランチャーを起動しようとしたらリロードしたりする。
色々な組み合わせをためした結果、以下のような配列だと違和感なく操作できるようだった。
OS | Keymap |
---|---|
Windows | LSuper, LAlt, LCtrl |
Mac | LCtrl, LAlt, LSuper |
Linux | LSuper, LAlt, LCtrl |
というわけで、このキーマップを実現していく。
Realforce のキーマップを変える
まず、最も多用しているのは Mac なので、 LAlt と LSuper が逆位置でないと体が対応していない。
全 OS 共通でこのキーマップがいいといったドラスティックな変更は、Realforce 自体の挙動を変更するのが楽だろう。
そこで、Realforce Connect というソフトウェアを使う。 これを使えば、レイヤー2枚の組み合わせを2種類までファームに書き込める。
ソフトウェアの操作も簡単で、ドラッグアンドドロップで好みのキーマップを実現できた。
最後にお手持ちのキープラー 1 で Alt と Super のキートップを変えればOK。
Windows / Linux のキーマップを変える
ただ、Realforce R3 には惜しい所がある。 キーマップと接続先とを連動させることができない。 なので、各マシンで別々のキーマップを使う時は、接続先を切り替えたのちにキーマップを切り替える、2回の操作が要求される。
そういうわけで、OSごとのキーマップの差異はOS側で吸収していくと操作が楽になる。
Windows では以下のようなレジストリを登録する。
Windows Registry Editor Version 5.00
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layout]
"Scancode Map"=hex:00,00,00,00,\
00,00,00,00,\
03,00,00,00,\
1d,00,5b,e0,\ // LCtrl -> LWin
5b,e0,1d,00,\ // LWin -> LCtrl
00,00,00,00,\
00,00,00,00
Linux (GNOME) では gnome-settings でポチポチ変える。
アプリケーションのキーバインドを変える
これらの変更でも、一部のアプリケーションではまだ OS ごとの差異が残ってしまう。 たとえばターミナルの Keyboard Interrupt とか。
そのあたりの微調整は、アプリケーションのキーバインドで対応したり、キーバインド変更できない場合は諦めたりしていく。
たとえば、 tmux や Alacritty は Ctrl でも Super でも同様の操作となるように切り替えた。
https://github.com/usagiga/dotfiles/blob/main/linux/.config/alacritty/key_bindings.yml
これで満足のいくキーマップが完成。
リストレストを導入する
多分 Realforce R3 とは長くやっていくのでアクセサリに力を入れていく。 そういうわけで、リストレストを導入することにした。
Realforce R3 には純正リストレストが存在しない。 一般的なテンキーレスのレイアウトなので、単にテンキーレスのリストレストを買っていく。
インターネットで評判がいいのは FILCO の M サイズのパームレストである。 あまり深く考慮せず、巨人の肩に乗っていく。
そういうわけで FILCO Genuine Wood Wrist Rest の M サイズを買ってきた。オタクブラック
(片付け意識が死んでいたので一旦この写真で許してほしい)
純正ではないので、高さや横幅はぴったりとはいかない。 具体的には横幅は2cmほど足らず、高さは2-3mm程度高い。
とはいえ特に問題はない。
結局どうだった?
Realforce R3 自体にあまり触れてこなかった。 R3 というデバイスがどういうものか、最後に触れておく。
堅実なものづくりをする東プレだが、R3は近年の流行を柔軟に汲んでいる。
- ワイヤレス、複数台ペアリングなんかの基本的な機能
- 有線、昇華印刷、APCといった Realforce ブランドのスタンダードな機能
- キーマップの2レイヤー仕様なんかの自キ界隈ではよくある機能
- スリープ時間を10分/30分から選べるとかのかゆいところに手が届く機能
触っていると、使いやすさに真摯に向き合っているように感じられた。
一方で、従来の Realforce ブランドとして見ると、 電装が増えた分信頼性はどうなのか?とか、 偏荷重欲しかったなぁとかは少し、本当に少し気になる。
全体的には非常に好意的に受け止めている。 東プレには今後もついていきたい。
- Realforce 本体には付属しない。一応キースペーサーセットに付属しているが、これはまだ US 配列向けのものが販売されていない。 [return]